いちごの苗をベランダで育てていますが、水やりがメンドウなので底面給水していまして、さらに別に液肥を入れるのもメンドウ・・・なので、自動底面給水装置を作ってみました。
市販の底面給水 鉢を参考にしてみる
底面給水給水といえばこちら↓のような鉢の底に水を入れて給水するもので鉢ごとに定期的に給水しておけば毎日水やりする必要が無い、というものです。
給水ヒモを使うタイプ リッチェル
この給水ヒモを垂らす方法だと水が余分に給水されて根腐れすることもあるようなので自作でペットボトルを使って底面給水装置を作ってみることにしました。
レチューザ 毛細管現象で水を下から上に上げるタイプ
レチューザという底面給水の鉢は、底の水につく底石をクレイと呼ばれるゼオライトや溶岩細粒や固形肥料を混ぜて、ゼオライトの多孔質(たくさんの穴があいている)で毛細管現象をおこして一定量の水を上へと吸い上げていって根に給水するタイプのもの。
このレチューザのクレイを真似てゼオライトを使って底面給水してみます。
自作 ペットボトル底面給水装置 完成の図
結果からお見せすると、このように↓鉢カバーをパイプをつないでペットボトルを逆さにしてつないで自動的に給水することに成功しました。現在は水漏れしないかテスト中。
白い鉢カバーとパイプ、それとペットボトルの接続部分は3Dプリンターで作りました。後ほど詳しく紹介します。
給水方法はペットボトルで犬や猫に水を与える↓このような給水器を真似て、鉢の水位が下がったらペットボトルから一定の水位に戻るまで水が出るようにしました。
いちごの苗は水はけが良い土壌を好むようなので、鉢底に水が3mmほど浸かるようにしました。
この状態だと、ペットボトル内の液肥がなくなったら液肥を追加しないといけないのがメンドウ・・・いや(汗)メンドウではないのですが、水やりが苦手(忘れる)なので液肥を追加するのを忘れてしまっていつも枯らしてしまうのです・・・
ということで、今後はさらに液肥の貯水タンクを作ってペットボトルに水がなくなったら自動でペットボトルに給水するまでを電子工作で作っていきます。今回はその前の段階の完成品です。
いちごの苗は適当に管理していたので日焼けして葉が黄色くなったり枯れてしまった部分もありますが、ランナーが出てきて新しい子苗も増えたので、本腰を上げて底面給水装置を作りました。
ペットボトルには液肥が入っているので後ほど銀紙で覆ってカバーをして緑モが発生しないようにしました。
自作 底面給水の材料
底面給水の問題は土なので、土は使わずにゼオライトなどの鉱物を使います。肥料は液肥で底面給水することにしました。
ウチは賃貸マンションなので土を使うとベランダが汚れたり後片付けが大変なので、なるべく土を使わずに基本的に水耕栽培で育ててみようと思います。
ただ、自分は素人で植物もまともに育てられない人間なので間違った方法かもしれません・・・参考までに見てくださいね。間違っているところがあればご指導いただけると喜びます♪
それでは使った材料をみていきましょう。
鉢 プレステラ
こちらのプレステラは底面・側面にスリット(切り込み)が入っていて底面給水しやすい構造になっています。安価でデザインもよくかなり人気な鉢のようですね。
プレステラのホワイトもありました。こちらのほうが人気のようです。
小さめの90型もあります。今回は105型を使いました。
ゼオライト 3号
鉢のプレステラの底から中くらいまで入れました。ゼオライトは多孔質構造のミクロの目に見えない細かい穴が空いていて、毛細管現象で水分を吸水・放湿する働きがあるので鉢の下に入れて水分を含ませておきます。
ゼオライトは本来は水質改善や土壌改善に使うもののようです。
そして3号ゼオライトで少し粒が大きめなので適度な空気の隙間が空いて、多孔質構造の毛細管現象で根に水分と酸素を補給させることができます。ゼオライトを使って底面給水を3ヶ月くらいしていますが、問題なく給水できているので一応は成功しているようです。
大量に使う場合は以下のほうが安く手に入れられそうです。
イソライト 珪藻土焼成粒
イソライトも珪藻土を使った多孔質構造の主に土壌改良に使う鉱物のようです。
今回は土の代わりにプレステラの底から中まではゼオライト、中から表面にかけてイソライトを入れてみました。
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イソライトは水分を含むと濃い大戸色になって、水分がなくなってくると薄い大戸色になるので素人でも水がなくなってきたのが分かるので水やりに便利です。
その他の特徴として、ゼオライトもイソライトも土よりもかなり軽いので扱いやすい。ただ、肥料は含まれていないので別途液肥が必要になります。
水切りネット
ゼオライトをそのままプレステラに入れると、ゼオライトがこぼれ落ちてしまうので水切りネットをプレステラにかぶせて、その中にゼオライト・イソライトを入れました。
水切りネットは目の細かいタイプがいいと思います。
液肥
土は使わないので水に肥料を混ぜる液肥を使います。
今回は大塚ハウス1号・2号・5号を使います。
大塚ハウス5号はアマゾンにありませんでした。大量に使わない場合はヤフオクにもバラ売りしている方がいますので家庭で使う場合は少ない量のほうがよさそうです。
大塚ハウスは粉状なので、まずは濃縮液を作ります。
肥料 | 使用量 | ペットボトル |
---|---|---|
大塚ハウス1号 | 150g | 1L |
大塚ハウス2号 | 100g | 1L |
大塚ハウス5号 | 10g | 500cc |
それぞれ上記の分量をペットボトルに入れて水を入れて溶かします。
濃縮液ができたら液肥用に1Lのペットボトルを別に用意して、それぞれ大塚ハウス 1号2.5CC・2号2.5CC・5号1.5CCの分量を水に混ぜました。
これでEC値が0.6の液肥ができあがります。いちご苗はEC値が0.5で収穫期は1.2にするようです。この変化もちょっと忘れそう。
いちごの収穫期はいつなんだろう?来年2月くらいかな?あっ、12月頃から4月頃までですって。今のうちに液肥の分量をメモしておきます。↓
12月ごろに実ができだしたらEC1.2の液肥を作ればよさそうですね。
EC | 大塚ハウス 濃縮液 ペットボトル1L | ||
---|---|---|---|
1号 | 2号 | 5号 | |
0.6 | 2.5cc | 2.5cc | 1.5cc |
1.2 | 5cc | 5cc | 1.5cc |
鉢カバーの底面給水装置は3Dプリンターで自作
3Dプリンターで気軽に好きな形の物を作れますが、今回は鉢カバーは大きいので出力するのに鉢カバー1個20時間以上、材料のPLAフィラメントは1個につき30Mほど使いまして費用は鉢カバー3個で3000円ほどかかっています。
3Dプリンターについて次の項目で詳しく書いていきます。
3Dプリンターで底面給水装置を作る
3DプリンターとPLAフィラメント
3Dプリンターは3Dデータがあればプリントするだけなので、とっても便利な機械です。
パソコンで3Dデータを作ることが大変なのですが、自分の好きな形を作ることでオリジナルな物を作ることができることが気持ちいいのです。
手っ取り早く3Dデータを作る場合は以下のサイトからWebブラウザで3Dデータを作ることができます。自分もこのTinkercadを活用させていただいております。
Tinkercadは直感的に操作できるので3Dデータを作るのが初めての方でもすぐに操作になれます。ただ、基本的な物体データしかできないので、もっと細かい3Dデータを作る場合はAutodesk Fusion 360などの本格的なソフトを使ったほうがよさそうですが・・・とっつきにくい(汗)
今回の底面給水装置で作った3Dデータは下のほうで公開していますので、よかったら参考にしてくださいね。
Anycubic i3 Mega 3D プリンター
現在自分が作っている3Dプリンターです。
3Dプリンターを10回以上使っているとプラットフォームから構造物が剥がれやすくなるので、プラットフォームの表面を濡れ雑巾などでよく拭き取って、スティックのりをキレイに塗ると構造物が剥がれずに最後までプリントできるので、このノリは必須です。
PLA フィラメント
こちらの↓2600円代と少し高めですが、20時間もかかる構造物なので切れたりよれたりして途中でプリントがストップしないためにも品質の良いフィラメントを使いました。
底面給水装置 鉢カバー
プレステラ105型がすっぽり入る鉢カバーです。
鉢カバー下のほうにジョイントパイプの穴があいていますのでパイプは必須で、下で公開しているジョイントパイプ3Dデータと組み合わせてジョイントしてください。
鉢カバーの3Dデータ↓
プレステラを10mm・15mmほど浮かせるための十字スペーサーもあります。このスペーサーを鉢カバーに入れて鉢(プレステラ)を少し浮かして、鉢に水が3mmほど浸すようにしました。(10mmのスペーサーを入れると鉢に水が3~5mmほど浸ります。)
左右に吊り下げられるように引っ掛けがあります。将来的に窓際にアルミバーを設置して窓際に置くためのものです。
プリントする時はサポート材ありで、パイプ部分の中もサポート材ありのほうがフィラメントが垂れずにキレイにできました。
ナットのほうの中のサポート材はニッパーなどで切ると簡単に取れます。オスのボルトのほうはサポート材や厚みが厚い部分があるのでヤスリで削って調整する必要があると思います。(もう少し小さめに改良すればいいのかも)
ペットボトル 底面給水ジョイント
ペットボトルを接続する部分の3Dデータです。
こちらは、水位を調節するためにパイプの上半分くらいを埋めて↓鉢カバーの底から15mmくらいの水位になるようにしました。
あとは鉢カバーの中にスペーサーを入れて水位を調節して、鉢が水に浸かり過ぎるのを防ぎます。
ジョイントパイプ
以下のページにジョイントパイプの3Dデータがありますのでよかったら使ってみてください。
こちらはボルトを緩めに作ってあります。ボルトの付け根部分がすぐにポキっと折れてしまうので、緩めに改良しました。
まだ強度が弱いので今後はボルトの付け根の強度をもう少し強くするために工夫してみます。
3Dプリンターで底面給水装置を作る場合はご注意ください
ジョイントパイプは緩めに作ってあって、水漏れするのでコーキングを用いた水漏れ対策は必須です。今後は強度を上げていきます。
鉢カバーは3Dプリントとしては巨大なので、完成までに20時間以上の時間を費やします。そしてフィラメントは2600円ほどのものを使わないと途中で切れたり止まったりするのでそれなりに費用がかかります。
試作品になりますので、製品のように強度や見た目も良くありません。
いちご苗の発育経過(底面給水装置を作ろうと思った経緯)
それでは実際にいちご苗を底面給水装置にするまでの経緯を紹介します。最初は適当なケースに水を入れて、いちご苗が入ったプレステラを置いただけでした。
7/8 いちご苗 買ったときは色艶がよくキレイな苗だった
メルカリでいちご苗を衝動買いで3鉢買いました。送られて来た時はかなり色艶も良くキレイな葉の色をしていました。
プロの方が育てたようで、第四種郵便物で送られてきてパックに入っていました。
土が少し付いていたので水で流しとって、プレステラに水切りネットをかぶせて、ゼオライト半分くらい入れる。その上にイソライト半分ほどを入れました。
苗と一緒にゼオライトなどを入れる時は土スクイ↑を使って入れると便利です。
プランターで底面給水してみる
最初はプランターに網があったのでその上くらいまで水を入れて鉢を置いてみました。↓
これでもいいのですが、ちょっと鉢の間が狭くて日があたらない気がして違うトレーに変えてみまました。↓
この状態で、底面に水を貯めておいて、たまに鉢に上から液肥をかけます。底面に液肥を貯めておくと緑藻が発生するので水だけ底面にためておきました。
7/27 管理がズサン・・・なので葉が黄色くなる
夏の直射日光に当てっぱなしにしたり液肥をやるのを忘れていると、葉が黄色っぽくなって、最終的に茶色く枯れた葉もありました。
コレ↑が普通?なのかな?枯れ気味なのか?来たときよりも元気がなく健康状態は良さそうではない気がする。
やはり植物を育てるのが下手なので、管理しなくて良いように底面給水装置を作ってみます。
8月末頃 いちごの苗にランナーが出てきました♪
適当に育てていたいちごの苗にランナーが出て子苗にも葉が出てきて根付きました!
子苗が根付いたのでもうランナーは必要ないかと思ったので切り離してみます。
ランナー 親苗から切り離してみた
9月の今、ランナーを切り離していいのか分かりませんでしたが、親苗から切ってみました。親のほうは根本から少し離して切った。↓
子苗のほうが根本から切っちゃいました。
コレでいいのだろうか?
さらに2番目の子苗のランナーも伸びています。枯れずに成長してくれればいいのですが・・・
ほかの親苗もランナーがニョキニョキ伸びてきて、どんどんいちご苗が増えてくれると嬉しい。ちゃんと管理して育てないと!
いちご苗の現状はこのようになっています。
月兎耳とビワも底面給水装置作ってみた
水やりを忘れがち・・・な観葉植物の月兎耳と、ビワを食べて種を植えたら生えてきたビワの苗も底面給水装置を作ってみました。
8月上旬 種からビワが出た!
ビワを食べたら種が残ったので水を浸した水苔の中に種を入れて目が出るか試したところ!
出ました♪
当時は2葉が出て、すくすくと育っています。
が・・・夏の旅行から帰ってきたら、枯れた・・・(泣)
水苔はやめてゼオライト+イソライトを入れて底面給水に切り替えましたが、復活するのでしょうか?
月兎耳も元気がない
月兎耳のほうもあまり水をやらなくていいみたいだったので、夏場で3日に1回くらい水やりしていましたが・・・
下のほうの葉っぱがしおれて枯れてきている。
なんだかしぼみ気味で元気がない・・・
市販の鉢で底面給水する
やはり自分は土で植物を育てるのは無理そうなので、こちらも自動で給水してくれる底面給水に切り替えることにしました。
土で栽培していましたが、やはり水やりが難しいのでゼオライト+イソライトに変更して底面給水してみます。
鉢は両方とも中心に穴があいていて、鉢底ネットを敷いてゼオライト+イソライトを入れました。
ペットボトルからチューブで給水
今回は鉢が小さいので、このように↓ペットボトルでチューブをつなげて鉢カバーまで水が自動で行くようにしましたが、この状態だと空気が抜けないのでうまく水が流れていかない。
空気が通らなくて水が流れていかないので、底面給水装置に穴↓を2箇所あけて空気が通るようにしました。
これだと水は通りますが、この穴から水が出てくるときがある。もう少し改良が必要そうです。
底面給水装置の鉢トレー
鉢トレーを3Dプリンターで作ってこのように↓チューブをつなげて水が流れていくようにしました。
水はゆっくり流れているようですが?どうなんでしょう。あまり流れてないのかもしれません。
でもイソライトが湿っているので植物に液肥は供給されているようです。
放置してもうまく液肥が供給されているか、しばらく様子を見て鉢トレーももう少し改良が必要のようです。
チューブは内径8mmのこちら↓のチューブを買って結束バンドでつなげました。
底面給水装置 鉢トレーとペットボトルジョイント 3Dデータ
この底面給水装置の3Dデータはこちらにありますので、よかったら使ってみてください。
もし改良した場合は教えてくださると喜びます♪
現在は液肥を入れたので緑藻が発生しないようにペットボトルにカバーをしてチューブにはアルミホイルを巻いています。
底面給水にしたおかげで月兎耳のほうは水を含んでふっくらとしてきて復活してきました!
が、ビワのほうは?新しい葉は出てきましたけど、それも黄色くなって?水は足りていると思いますが栄養が足りない?(現在の液肥は野菜の水耕栽培と同じでハイポニカを使って1Lに対して2つの濃縮液を1ccずつ入れています。)分かりません。もう少し研究してみます。
底面給水装置 2セット 仮に完成
一応、現在のところほぼ手動ですがイチゴの苗の底面給水装置が完成しました。
そして、室内には月兎耳とビワの底面給水装置も完成しましたが、もう少し改良が必要みたい。
今後の改良点として、液肥が減ってきたら電子工作(ラズパイ)で自動でペットボトルに給水する装置ができたら部屋の中に入れて育てようと思います。
部屋に入れると水漏れが心配になるので水漏れ対策がしっかりできてから部屋にいれていきます。
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